後ろから何かが割れる音と人が倒れる音が聞こえた。その音が聞こえる方を向くと、床には割れたコップとそのコップを持っていたと思われる青柳さんが何故か倒れていた。
38.5℃
あ の 青 柳 さ ん が 倒 れ て い る 。
そんな有り得ないような状況だけど、現に彼は倒れている。一瞬止まってしまった思考回路を呼び覚まし、私は慌てて彼の元に駆け寄った。
滅多に触れることのない(というか全く触れたことなんてなかった)彼の身体は凄く熱く熱を帯びてた。季節外れの風邪だろうか?
そう思うと私は冷静にして居られなかった。あの青柳さんが、こんなにも苦しそうにしているという事実に正直戸惑ってしまった。
兎に角、どこか横になるところは・・・
そう思い青柳さんを担ごうとしたそのとき、9係に主任と小宮山さんの二人が戻ってきた。私は慌てて二人に助けを求めた。
あの青柳さんが倒れた、と言うと二人は目を丸くして一瞬言葉を失っていた。(やっぱり私と同じリアクションですね)
「と・兎に角、青柳さんを仮眠室に運びましょう。君は一緒に来てくれ」
そういって主任さんは青柳さんを抱え、私はその後を追った。看病は頼む、と言い残し主任さんは9係に戻った。仮眠室に二人っきりになった私は青柳さんのネクタイを外し、シャツのボタンを一つ開けてみれば結構白い肌が見えた。普段は暴言を連発している人が今はただ苦しそうに胸を上下していた。
「・・・ぉぃ。何だよここはー」
ぁ。起きた。
「・・・?何で俺寝てんの?」
「青柳さん、倒れたんですよ?まだ熱も高いみたいですし・・・」
「・・・っつーことは、俺はお前に看病されてるのか?!」
「(何、その嫌そうな顔)そうなりますね」
「じょーだんじゃねぇ!!なんで俺がお前なんかの世話にならなきゃいけねーんだよ!!」
風邪を引いてる筈なのに起きるといつもと変わらないところは流石、というか。そう思っていると青柳さんは冗談じゃないと言いながら起きようとする。
「ちょっと!!青柳さんはまだ熱があるんですよ!大人しく・・・」
「何でお前の指図受けなきゃいけねーんだよ!!戻って「駄目です!!!
青柳さん、貴方は熱があるんです。大人しく寝てなきゃ治りません!!それに9係の皆にうつったら大変でしょ?黙って言うこと聞きなさい!」
少し驚いたように私を見上げる青柳さんは不満そうにしていたが、やっぱり熱がある所為か大人しくベットに潜り込んだ。とは言うもののやっぱり文句は垂れていた。
「・・・いつから俺に命令するようになったんだよ」
「風邪引いてるときくらいいいじゃないですか。・・・ほら、寝てください」
「・・・。看病するんだったら最後まで責任持てよ」
「は?」
「・・・・・・寝る」
謎の言葉を言い残して彼は眠りについた。最後まで責任を持て・・・それって起きるまで傍にいろ、ってこと?・・・なんて少し自惚れる私だった。
(どこにいたって貴方は貴方だった。そんな姿に私は・・・)
Q係/青ちゃんが大好きで突発的に書いてみた.
風邪引き青ちゃんもきっと普段みたいに態度悪そう(笑)
(20070808)