時間的に[38.5℃]の後の話.
読んでなくても大丈夫です.
「いいですか?!絶対にメロン味のするメロンパンは買ってこないでくださいね!!それから網目がないメロンパンも駄目ですよ!!」
「ぁーうるせぇよ。分かったから」
網目のない、
本物のメロン味のするメロンパンなんて
邪道
只今正午、お昼ご飯の時間です。私のお腹も丁度いい具合に空いてきました。でも私はまだお昼ご飯を食べれない。というのも私は青柳さんがお昼ご飯を買って来てくれるのを待っているから。
この間、風邪を拗らせた青柳さんを看病した私は半分冗談でお昼の買出し(勿論、私の大好物のメロンパン)をお願いしたら、散々文句を言われたが買ってくれることになったのだ。
(まさか買って来てくれるとは思いもしなかったんだけどなぁー)
他の9係メンバーといえば、係長と浅輪さんは二人して係長特製のお料理を、他の人たちは・・・よく分からない。外で食べてるのかな?
9係の部屋はイイ匂いが充満していて私のお腹を刺激する。あぁ・・・お腹が鳴りそう!!
(青柳さーん!!早く〜!メロンパン〜!!)
お昼を頼んで30分後、青柳さんが袋を提げて戻ってきた。
「おら、これでいいんだろ?!」
そういいながらメロンパンを投げてきた。食べ物を投げるだなんてやっぱり不謹慎だなぁと思いながらもお礼の言葉を口にした。待ちに待ったメロンパンの袋を開けると甘い香りが漂い思わず笑みがこぼれてしまう。
外側のクッキー生地を齧るとサクサクしていて甘くて、内側のパン生地を齧るとモフモフしていて、やっぱり甘くて美味しい。やっぱりメロンパンはこうでなくっちゃ!
「ほんと、嬉しそうに食べるよなーお前」
「・・・んっ、だって美味しいんですよー」
青柳さんが買ってきてくれたものだしね、とは言えず。もう一口、パンを齧る。あぁ、やっぱり甘い。
「一個聞くけどよー。何でメロン味のするメロンパンが駄目なんだ?」
「!!青柳さん、いいですか?メロンパンっていうのはですね、メロンの形をしてるからメロンパンなんです!メロン味がするのは邪道なんです!網目のないメロンパンも言語道断です!」
「別に同じだろーが」
「同じじゃないです!別物です!これが私の拘りなんです!」
「ふーん」
熱く語る私を横目に、青柳さんは自分のアンパンを口いっぱいに頬張りながら答える。そしてアンパンを食べ終わった青柳さんが私の食べていたメロンパンをとりあげて一口齧った。
「ちょ・・・!!!」
「うん。美味いな」
そう感想を述べて青柳さんはメロンパンを返してきた。口についた砂糖を指で拭いながら。
そんなことを平気でするから・・・ドキドキするのかな??
(それは誰にも譲れない.例えば貴方のことが好きってことも.)
私的拘りについて.
これは甘いのだろうか・・・?
(20070916)