「じゃあ僕が教えてあげるよ!」
「芹沢君、が??」
芹沢はニコニコしながらの手を引き歩き出した。背中からは伊丹の怒鳴り声が聞こえているが、全く気にすることなく歩く。こうしては半強制的に近くの公園へと連れられた。
昼下がりの公園。空に輝く太陽は眩しい光に溢れていて暖かい。
緩やかな風に吹かれながら芹沢とは芝生の上に座っていた。
「いい天気だね〜」
芹沢はそう呟いて笑った。いつも見てる芹沢の笑顔の筈なのに、何故かいつもより眩しかった。は少しだけ胸が締め付けられるような息苦しさを感じた。
「で、LIKEとLOVEの違いだけど・・・」
「・・・何ですか?」
「LIKEと言えば、恋!LOVEは愛!」
簡単な言葉だけど、それが何だか芹沢らしくては少し笑ってしまった。そんなを横目に芹沢は続けた。
「恋は理想に近い相手とするもので、愛は自分を受け止めてくれる相手とするものだよ。だから・・・」
その瞬間、芹沢はの顔を引き寄せた。少しずつお互いの顔が近づいていく。すこし逆上せたような血色の良い頬、少し長い睫毛、黒い瞳。その瞳の中にまで眩しさをはっきりとは感じた。芹沢の腕に委ねられたの身体は硬直していた。
そして唇と唇が重なる──
芹沢の唇は少し乾燥していた。
それでも、ぬくもりを感じた。
チュッ・・・と軽く音を立てて離れた唇。
「愛をちゃんとしてみたいなー・・・なんてね。」
「・・・日本語可笑しいですよ?」
芹沢との頬を染めて、自分達の先輩が怒鳴りに来るまで芝生の上に座っていた。
LIKEとLOVEの違い
恋と愛の違いだそうです。