「ここは三浦さん!お願いしますよー」
「はぁ?」
というわけで何故か三浦とは芹沢の所以で二人っきりになった。基本的に三浦とは二人っきりになることはあまりなかった。普段から行動を共にしているとは云え、は少し緊張していた。
ましてや、憧れの人と二人っきり。その憧れの人は自分よりもかなり年上。この想いは憧れなのか、恋なのか・・・それとも愛?
「・・・LOVEとLIKEの違い、か?」
「えっと・・・・・・はい。」
「嬢ちゃんはどう思うんだ?」
LIKE、恋は好き
LOVE、愛・・・は
「俺はな、愛っていうものは相手に与えるものだと思うぞ。」
「与える・・・ですか?」
は三浦の言葉に首を傾げた。
「つまりだな、恋は一人でするもの、愛は二人で育むもの。
恋はときめきを感じたり、相手の事を知りたくなったり・・・どっちかって言うと、自分本位な感じだろ?要するに恋は相手に求めるものだ。
それに比べて愛は相手がいて初めて成り立つものだ。思いやりだとか・・・つまり相手に与えるもの。」
大人びた低い声
優しい眼差し
彼の優しさは暖かくて心地よい。でもそれ故にはいつも胸が痛くなるのを感じた。
『そうか、私、三浦さんに・・・"恋"してるんだ』
近くて遠い存在なんてよく言ったものだ。尊敬する先輩でもある三浦とは毎日のように顔を合わせ、仕事をする。けれども、所詮は先輩と後輩。の思いは独り善がりなものだ。
辛い、は思った。
「・・・おい?嬢ちゃん?」
「ぇ、はい!!なんですか?!」
「固まってたからどうしたもんかと思ってな。」
「いやぁー。やっぱり三浦さんって大人だなぁーって・・・」
昔から大人になりたいとは思っていた。
こういうとき子供っぽい自分を思い知らせれて、自分がイヤになる。
「大人だろうが、子供だろうが関係ないだろ。」
「え?」
「恋をしたら一緒だ。」
「・・・今日の三浦さん、アツいですね。」
「おいおい、嬢ちゃんがこんな話持ち出したんだろうが」
三浦は照れながらを小突く。その手はやっぱり大きくて、暖かい。やっぱり、三浦さんが好きです。今度は私が三浦さんに何か“与える”ことができればいいな
LOVEとLIKEの違い
LIKEは求めるもので、LOVEは与えるもの だそうです