笹を飾り付けては笹の先を見上げた。たくさんの短冊を飾られ華やかに色付いている笹の一番天辺には彼女の短冊が飾られている。更にその先には小さな星達が眩しいくらいに瞬いている。
「その願いは星よりも僕にお願いしたほうがいいと思いますよ?」
後ろから掛けられた声の主は杉下右京だった。大好きなあの笑顔が向けられたこと、願いごとの対象人物に読まれてしまったことには恥ずかしさが込み上げてきた。
一方で右京はの願いの内容に思わず表情を緩め、恥ずかしがる彼女の姿を見て嬉しく思っていた。
「僕の短冊も飾っても構わないですか?」
思いがけない右京の申し出に言葉を無くしたははこくりと頷いた。右京の短冊は笹の天辺に、の短冊の隣りを占拠した。
「・・・右京さんだって星より私に願うべきじゃないんですか?」
二人は見合わせて微笑んだ。彼らの願いはきっと叶うだろう。
短冊は笹の天辺に仲良く風に揺れていた。